2008年08月23日

使用教材について

僕が使用した教材についてまとめてみます。

僕は基本書マニア気味の受験生でしたので、かなりたくさん本を持っていました。以下に挙げたものはあくまでメインで使っていたものです。それだけを読んでいれば足りるとは、必ずしも言えないかもしれません。

また、僕は予備校本よりも学者の書く基本書を好んで読んでいました。
これは、基本書が予備校本よりも優れていると考えていたわけではなく、ただ予備校本は読み物としておもしろくなく、手に取る気がしなかった、というだけです。新司には予備校本では対応できない、などということは別にないと思いますし、やることをやっていれば予備校本だろうが基本書だろうが構わないと思います。好きな方を使いましょう。

なお、メインで使った基本書には、頭に○印をつけてあります。

憲法

芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法(第四版)』(岩波書店)
基本中の基本。何度も読んでおきたい。副読本として芦部信喜『憲法判例を読む』(岩波書店)を併読するのをオススメ。

四人本T、U
択一の種本となっていると思われる本。情報量は十分。ただし、ここまでやる必要はないかもとも思う。読んでいて面白い本ではなかった。

高橋和之『立憲主義と日本国憲法』(有斐閣)
合憲性審査基準についての記述が非常に参考になった。個人的には新司にも非常に有益だと思う。

判例百選

戸松秀典・初宿正典編著「憲法判例」(有斐閣)
百選では省略されている判旨部分に、重要なところもあるので、補充するために使用。


行政法

宇賀克也 『行政法概説T・U』(有斐閣)
基本概念の説明、論点の解説が充実、判例にも多く言及しており、論文、択一対策に有益。ただ、試験的には不要な部分も多い。

塩野宏 『行政法T・U』(有斐閣)
記述が簡素すぎるため、実力不十分な段階では理解困難な部分が多々あった。副読本として使用。

判例百選

ケースブック行政法(弘文堂)
上記の憲法判例と同じ位置づけで使用。1度通読。

民法

内田貴『民法T〜W』(東京大学出版会)
賛否両論あるが、個人的には非常に好きな本だった。多くの判例について簡素化された事例付きで紹介されているので、判例集代わりにも使っていた。

山本敬三『民法講義T・W』(有斐閣)
参考書として持っておくべき。僕は、Tは2,3度読んだ。

潮見佳男『基本講義 債権各論U 不法行為法』(新世社)
内田の不法行為法が独特すぎたので、使っていた本。通説・判例の解説に徹しており、有用。

『択一式受験六法』(自由国民社)
直前期に内田を読む暇がなかったので、これを2回くらい読んで知識を詰め込んだ。要領よくまとまっており、肢別本と一緒に使うと効果大。

判例百選

民法判例集(有斐閣)
百選だけでは明らかに不足なので、補充用に買った。内田民法で足りないと思った部分を読んだ。

会社法

神田秀樹『会社法』(弘文堂)
条文を中心に簡潔な解説。読んでいてつまらない。メリハリもない。

葉玉他『新・会社法100問』(ダイヤモンド社)
会社法が苦手で苦手でしょうがない時期(3年の夏)に、これ(100問プラス1200問)を徹底的にやった。それからは、会社法択一で面白いように点が取れるようになった。重要部分は繰り返し出題されている一方で、マイナー部分も1200問で言及されているので、試験対策として非常に有用だと思う。

江頭憲治郎 『株式会社法』(有斐閣)
辞書。

会社法判例百選

丸山秀平『基礎コース 商法 I 総則・商行為法/手形・小切手法[第2版]』(新世社)
僕が、商法総則・商行為法、手形法の短答対策として用いていた教科書。300ページで、これらの法分野の基本的部分についての説明がされている。この本を軸にして条文を押さえていけば、短答対策としては十分かも。

手形、商法総則・商行為法判例百選
全部は読んでない。


民事訴訟法

高橋宏志『重点講義 民事訴訟法(上)(下)』(有斐閣)
民訴の論点を深く解説した本。裁判所、原告、被告の立場から、各論点を考察しています。今年の新司民訴では見たこともない問題が出題されましたが、この本を読んだことで身についた考え方を応用したことで、何とか切り抜けられたのではないかと信じています。ただ、網羅性はなく、知識の補充・整理にはあまり役立ちませんので、直前期に読むのはあまり勧められません。

裁判所職員総合研修所『民事訴訟法講義案(改訂補訂版)』 (司法協会)
新司に必要な知識は大体載っていると思います。実務的な視点も盛り込まれているので、新司の傾向にもある程度合致しているのではないでしょうか。(平成20年度の新司の問題は別。) ただ、試験向けに書かれた本ではないので不要な知識も結構あります。また、淡々と書かれているので、読みものとしては非常につまらないです。

判例百選


刑法

西田典之『刑法総論・各論』(弘文堂)
「穏当な」結果無価値論の立場から書かれた本。要領よくまとまっているし、判例も多く紹介されているので、試験対策としては非常に使いやすい本だと思います。行為無価値論を採る人でも、大きな抵抗なく読めると思います(特に各論は)。

山口厚『刑法』(有斐閣)
コンパクトにまとまっていて使いやすいとも思いますが、僕は少し物足りなかったです(本の性質上しょうがないけど)。

リーガルクエスト刑法各論(有斐閣)
法科大学院の学生向けに書かれた本。通説、判例を分かりやすく解説した上で、有力説にも言及されています。また、新しい問題意識にも触れてあるので、試験対策として非常に使いやすい本だと思います。

判例百選
下記の判例集を読んでいたので、あまり使ってない。

西田・山口・佐伯『判例刑法総論』『各論』(有斐閣)
判例百選では、判例の数、各判例の引用量においてかなりの不足があると感じていたため、使用していました。


刑事訴訟法

田中開、寺崎嘉博、長沼範良『刑事訴訟法(アルマ)』(有斐閣)
コンパクトにまとまっていて、使いやすい本です。ただ、網羅性に欠けるので、この本だけでは短答式試験を戦えません。

池田修、前田雅英『刑事訴訟法講義(第二版)』(東京大学出版会)
新司で必要と思われる事項については全て触れてあり、また、条文(規則まで)・判例の引用数も非常に多いので、短答式試験対策には最適だと思っています。また、実務的な視点から書かれてある点も、新司の傾向に合致していると思います。ただ、学者の先生方にはあまり評判のいい本ではないので、理論的な面については、酒巻先生の法学教室掲載論文などにより補完する必要があると思います。

酒巻匡『刑事手続法の諸問題』(法学教室283号〜306号)
刑訴の重要問題について、その制度の存在理由から、非常に丁寧に解釈論を展開されています。論文対策として、絶対に目を通しておくべき文献です。ただ、網羅性はないので、基本書にはなり得ません。

判例百選

『ケースブック刑事訴訟法』(有斐閣)
判例百選では、判例の数、各判例の引用量においてかなりの不足があると感じていたため、使用していました。


以上の教材を、濃淡はあれ、主に使っていました。また、疑問に思った点があれば、自分で考えることはせず、すぐに手元にある他の文献に当たるようにしていました。以上の他にも、定評のある基本書は多くありますので、自分の気に入ったものを使えばいいのではないかと思います。
posted by sun at 00:08| Comment(9) | TrackBack(0) | 勉強方法について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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